洗顔料の基礎知識

【界面活性剤不使用の洗顔料を探している人必見!】洗顔料に欠かせない2つの役割を解説

りょう
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  • なぜ、界面活性剤は肌に悪いの?
  • 界面活性剤フリーの洗顔料なら、安心して使える?
  • 安心して使いたいから界面活性剤について詳しく知りたい!

界面活性剤は肌に悪いから避けたほうがいいと思い込んでいると、あなたの肌が今より綺麗になることはありません

この記事では、界面活性剤が汚れを落とす4つのメカニズムについて解説します。記事を読めば、界面活性剤は洗顔料に欠かせない成分であることが分かります。

界面活性剤は洗顔料の主洗浄成分であり、保湿・肌整成分とのつなぎ役です。肌に吸着した皮脂を落とすには、界面活性剤が必要不可欠。界面活性剤の役割を知ることは、あなたの肌を綺麗にする最初の一歩です。

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お肌履歴:スポーツに明け暮れた10代は皮脂やニキビに悩まされました。20代になり見た目を気にするようになり冬場だけ化粧水を塗るように。30代になって初めて本格的にスキンケアを始めました。
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参考文献

  1. 酒井裕二(1999年):理想的な洗顏料の開発「日本化粧品技術者会誌33巻2号 p. 109-118」
  2. 柿澤恭史(2018年):洗浄料とその作用「日本香粧品学会誌42巻4号」
  3. 近藤行成(2022年):界面-界面活性剤の種類とはたらき-「オレオサイエンス22巻9号」
  4. 齋藤俊和(2021年):界面活性剤の基礎-セッケンと合成洗剤-「化学と教育69巻4号」
  5. 喜多久博(1958年):両面界面活性剤について「紙パ技協誌12巻7号」
  6. 辻井薫(1980年):両面界面活性剤-その特異な物性-「油化学29巻8号」

界面活性剤不使用の洗顔料はない

界面活性剤が使われていない洗顔料はありません。洗顔料の目的を果たせないからです。

洗顔料の目的は、肌についた汚れを落とし、肌をすこやかな状態に保つこと。そのためには、以下の3つの成分が必要です。

  • 洗浄成分
  • 保湿成分
  • 肌整成分
りょう
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この3つのバランスが悪いと、汚れが落ちなかったり、肌がつっぱたりと、肌トラブルの原因になります。

洗顔料にとって界面活性剤が重要とされる理由は、この3つの成分のバランスにもっとも影響を与えるから

そのため界面活性剤不使用とは、肌をすこやかな状態に保つために必要な機能を備えていない洗顔料ということになります。

肌に悪いのは合成界面活性剤?

界面活性剤には天然界面活性剤と合成界面活性剤の2種類あります。肌に悪いと言われているのは合成界面活性剤。人の手で人工的に作られる界面活性剤のことです。

界面活性剤が洗顔料に欠かせない2つの理由

surfactant

界面活性剤は洗顔料のバランスを保つために欠かせない物質です。水になじみやすい部分(親水基)と、脂になじみやすい部分(親油基)をあわせ持っているからです。

界面活性剤の働きは以下の2つ。

  • 汚れを落とす(洗浄)
  • 混ざり合わない2つのものをひとつにする(乳化・可溶化)

どちらも洗顔料が汚れを

どのように組み合わせるで、洗顔料の特長が決まります。

りょう
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界面活性剤の働きは実に多様です。この記事では、洗顔料に焦点をあてた解説をします。

洗浄成分としての界面活性剤(洗浄)

洗顔料に含まれる界面活性剤のほとんどは、洗浄力を高めることを目的に配合されます。

界面活性剤には親水基の分類により、以下の4つに分けられます。

4種類の界面活性剤
  • アニオン性界面活性剤
  • カチオン性界面活性剤
  • 両性界面活性剤
  • ノニオン性界面活性剤

洗浄成分として洗顔料に配合されるのはアニオン性界面活性剤洗浄力と起泡性に優れているからです。

りょう
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4種類の特徴については、記事の後半で詳しく解説しています。

つなぎ役としての界面活性剤(乳化・可溶化)

洗顔料の目的は、肌をすこやかな状態に保つこと。そのためには洗浄力だけでなく、保湿成分や肌整成分をバランス良く配合する必要があります

しかしたくさんの成分を配合したくても、水と油のように互いに混ざり合わない場合もあるのです。

両性界面活性剤やノニオン性界面活性剤は補助剤としても使われます。界面活性剤がつなぎ役として働くことで、バランスの取れた洗顔料になるのです。

4つの界面活性剤の特徴

界面活性剤は、水になじみやすい部分(親水基)と、脂になじみやすい部分(親油基)を持った物質だとお伝えしました。

界面活性剤は、親水基の種類により以下の4つに分けられます。

イオン性界面活性剤非イオン性界面活性剤
アニオン性界面活性剤カチオン性界面活性剤性界面活性剤ノニオン性界面活性剤
水中での性質陰イオンになる陽イオンになるアニオン性、カチオン性、中性になるイオンに解離しない
特   徴洗浄力が高い
泡立ちが良い
・カチオン性と一緒に使用できない
耐硬水性が低い
・殺菌性が高い
・アニオン性と一緒に使用すると機能を発揮しない
・様々な表面に吸着しやすい
帯電防止がある
柔軟効果がある
洗浄、乳化、可溶化効果がある
補助剤として使われることが多い
・他種類の界面活性剤とよく相溶する
溶液のphによってイオン性を変化させる
・耐硬水性が高い
皮膚刺激性や目刺激性が一般に低い
泡の安定化、泡質の向上
・親水基と親油基のバランス調整が簡単
・他種類の界面活性剤とよく相溶する
耐硬水性が高く、電解質水溶液中でも使用可能
皮膚刺激性や目刺激性が一般に低い
親 水 基・硫酸エステル塩型
・スルホン酸塩型
・カルボン酸塩型
・リン酸エステル塩型 など
・アミン塩型
・四級アンモニウム塩型
・イミダゾリウム型
・ピリジニウム塩型 など
・アミノ酸型
・ベタイン型
・アミンオキシド型 など
・ポリオキシエチレン型
・多価アルコール型
・シュ糖エステル型 など
製   品洗顔料、石鹸、台所用洗剤コンディショナー、トリートメント、柔軟剤、殺菌剤シャンプー、洗顔料、ベビーソープ洗顔料、化粧品、台所用洗剤、食品添加物

このうち洗顔料に使われるのは、以下の3つ。

  • アニオン性界面活性剤
  • 両性界面活性剤
  • ノニオン性界面活性剤

この3つの組み合わせ方によって洗顔料の特徴は異なります。

りょう
りょう

1種類の界面活性剤だけでは充分な効果が得られないことも。複数の界面活性剤を組み合わせている製品がほとんどです。

アニオン性界面活性剤

洗顔料だけでなく、石鹸やシャンプー、ボディーソープに使われます。洗浄力が高く泡立ちが良いからです。

殺菌効果に欠けるため、台所用洗剤として活用する場合は、両性界面活性剤と一緒に活用されます。

水に溶解したとき、親水基がアニオン(陰イオン)に解離する界面活性剤です。

カチオン性界面活性剤

洗顔料には不向きな界面活性剤です。肌への刺激が強く、洗浄性に欠けているからです。

一方で殺菌作用、帯電防止、柔軟効果があるので、コンディショナーや柔軟剤、殺菌剤に使われます

りょう
りょう

帯電防止作用がある界面活性剤。

水に溶解したとき、親水基がカチオン(陽イオン)に解離する界面活性剤。

両性界面活性剤

アニオン性活性剤とカチオン性活性剤の特性をもっている界面活性剤。溶液のphによってイオン性が変化するため、イオン性界面活性剤のなかでも刺激性が低いのです。

刺激性が少ない優れた界面活性剤です。価格が高いこともあり、洗浄成分の主剤ではなく、補助剤として使われます

アニオン性界面活性剤とカチオン性界面活性剤は両極のイオン性を示すため一緒に使用できません。両性界面活性剤なら、どちらとも組み合わせて使用できます。

ノニオン性界面活性剤

イオン性界面活性剤より、刺激性が少ない界面活性剤。水に溶解したときにイオン性を示さないからです。

イオン性との違い
  • 静電気を発生しない
  • 親水基が弱い
  • ミセルのサイズが小さい
  • 洗浄力が弱い

洗浄力が弱いのはメリットでもあります。高すぎる洗浄力は刺激性を高めるだけでなく、必要な脂まで洗い流してしまうからです。

界面活性剤が汚れを落とす4つのメカニズム

界面活性剤が汚れ(脂)を落とすメカニズムは次の4つ。順番に見ていきましょう。

  1. 吸着作用
  2. 浸透作用
  3. ぬれ作用
  4. 乳化作用

吸着作用

Surfactant adsorption

汚れ(油)の表面に界面活性剤が吸着していきます。界面活性剤の親油基は脂になじみやすい部分なので、親油基が汚れ、親水基が水に向かって配置されます。

図解の界面活性剤は球状になっています。これはミセルと呼ばれるもので、ある一定の温度(クラフト点)になると界面活性剤は球状になり、より高い洗浄効果を発揮します。

水温がクラフト点に達していない場合は、界面活性剤は個々にバラけた形状となります。

すず
すず

イメージしやすいのは食器用洗剤。油汚れを落とすとき、水ではなくお湯を使いますよね。これはクラフト点に達することで、より界面活性剤の働きが活発になるからです。

りょう
りょう

台所洗剤と洗顔料では界面活性剤の種類がちがいます。求める効果が違ってくるからです。

浸透作用

Surfactant Penetration

吸着した界面活性剤は汚れに浸透します。界面活性剤は汚れの界面に働きかけるからです。

界面活性剤は界面張力を低下させます。これにより皮膚と汚れの隙間に浸透しやすくなるのです。

りょう
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これをぬれ性ともいいます。ぬれやすくなると、皮膚と汚れ(油)の状態がどんどん変化していきます。

ぬれ作用

Surfactant Rolling Up

ぬれ作用は皮膚から汚れを分離させます。皮膚と汚れ、水の関係性を変化させるからです。

ローリングアップ

浸透作用により水と汚れ(油)の界面張力が低下すると皮膚と汚れの接触角が変化します。これにより汚れは球状となり皮膚から分離するのです。

ローリングアップ現象は汚れを落とす大切な働きです。この記事ではこれ以上は解説しませんが、仕組みを知りたい方は参考文献④を確認してください。

乳化作用

引きはがされた汚れを界面活性剤が取り囲みます。これにより洗い流された汚れ(油)は水中でも安定した状態を保つことができます。

親油基が汚れ(油)に吸着し、親水基は汚れ(油)の表面を取り囲むように配置されるからです。

この働きにより、洗い流した汚れが肌に再付着するのを防ぎます。

可溶化との違い

可溶化はミセル内部に汚れ(油)を溶かし込む働き。粒子径は数nm~15nmと乳化(数10nm~数100nm)に比べて小さいため、溶かし込める汚れは限られる。

りょう
りょう

ミセルとは界面活性剤が親油基を内側、親水基を外側にして球体となること。

洗顔料には界面活性剤が必要不可欠

界面活性剤が脂汚れ(皮脂)を落とすメカニズムは以下の4つ。

  1. 吸着作用
  2. 浸透作用
  3. ぬれ作用
  4. 乳化作用

界面活性剤は洗顔料の主洗浄成分であり、その他の成分とのつなぎ役。肌をすこやかな状態に保つため、なくてはならない成分なのです

界面活性剤を見分ける方法

とはいえ、洗顔料の成分表示を見ても界面活性剤とは記載されていません。界面活性剤とは、水と油のような本来混ざり合わないものをひとつにする性質を持った物質の総称のことだからです。

このサイトでは、筆者が実際に使用した洗顔料の体験レビューがあります。使用感だけでなく、配合成分についても解説しています。

あなたが検討している洗顔料に、どのような界面活性剤が配合されているかチェックしてみましょう。

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